碧巌録 馬大師不安

 馬大師といえば馬祖道一禪師のことであり、南嶽懷讓禪師の弟子、六祖の孫弟子である。そして百丈懐海禪師、大梅法常禪師、南泉普願禪師らを育てた。
 「馬大師安らかならず。院主問う、和尚、近日尊候如何。大師曰く、日面佛、月面佛。」不安といっても心配事があるのではなく、体調が優れないということだ。その馬大師に寺の事務方の院主が尋ねる。「近頃、具合はいかがですか」と。馬大師は応える。「日面佛、月面佛」

 南嶽あるとき馬祖の庵にいたるに、馬祖侍立す。
 南嶽とふ、汝近日作什麼。(近頃なにをしている?)
 馬祖いはく、近日道一祗管打坐するのみなり。
 南嶽いはく、坐禪なにごとをか圖する。
 馬祖いはく、坐禪は作佛を圖す。(佛になるのだ)
 南嶽すなはち一片の塼(かわら)をもちて、馬祖の庵のほとりの石にあてて磨す。
 馬祖これをみてすなはちとふ、和尚、作什麼。(なにをしているのですか?)
 南嶽いはく、磨塼。(かわらを磨いている)
 馬祖いはく、磨塼用作什麼。(かわらを磨いてどうするのですか?)
 南嶽いはく、磨作鏡。(磨いて鏡にするのさ)
 馬祖いはく、磨塼豈得成鏡耶。(かわらを磨いて鏡になりますか?)
 南嶽いはく、坐禪豈得作佛耶。(では坐禪して果たして佛になるのかね?)

 坐禪は「その人となる」という言葉があるように、「佛になる」ということではないのだ。馬祖道一禪師は南嶽懷讓禪師のもとで二十年におよぶ修行をされたという。作務には率先して出、老いるまで怠ることがなかった。

 あるとき、郷里漢州にかへらんとして半路にいたる。半路よりかへりて燒香禮拜するに、南嶽ちなみに偈をつくりて馬祖にたまふにいはく、「勸君すらく歸郷すること莫れ、歸郷は道行はれず。竝舍の老婆子、汝が舊時の名を説かん」。この法話をたまふに、馬祖、うやまひたまはりて、ちかひていはく、われ生生にも漢州にむかはざらんと誓願して、漢州にむかひて一歩をあゆまず。

 「故郷に帰ると修行はできないし、母親が昔の名前で呼ぶぞ」と南嶽はいう。馬大師はご苦労された、しみじみ感じられる逸話である。そんな馬大師が院主に尋ねられて応える。

 「日面佛、月面佛」

 日面佛も月面佛も三千佛名経にようやく挙げられているような佛である。誰も知らない。調べる必要なんてない。二十年のご苦労の修行のあげくに馬大師は応えたのだ。

 「日面佛、月面佛」

 これは何だ!

  ≪ 告 報 ≫ 

次回の月例坐禪會は7月17日です。(要予約 7月10日から受付)
 令和4年4月から「正法眼藏・行持」を提唱しています。

◎ 發熱、咳など体調のすぐれない方は參加を控えて下さい。
◎ 飲料は水筒などで持參して下さい。
◎ マスクは必ず持參して下さい。
◎ ワクチン接種の有無をお知らせ下さい。

「日々の坐禪・動中の功夫」

 6月30日(木) 申込可  7月3日(日) 申込可


 毎週木曜日午前9時から 曉天坐禪(9:15~9:45) 朝課(9:50~10:30) 作務(10:45~)
 毎週日曜日午後12時半から 坐禪(12:45~13:30) 作務(13:45~ 雨天の場合は坐禪)

◎ 當日3日前からメールにて受け付けます。
◎ 作務とは、境内の清掃、草取などで「坐禪・靜中の功夫」とともに修行の根幹です。

次回の夜坐の日程は7月23日です。
(要予約 6月16日から受付)
 
令和4年3月から「碧巖録」を提唱します。 午後6時15分までに到着して坐禪堂玄關よりお入り下さい。

 しばらくの間、夜坐は6:30~7:15、7:30~8:15までになります。
松門寺の坐禪會に初めて参加される方は月例會3人までの予約制です。
 
メールに氏名、郵便番号、住所、電話、年齢、男女別を記入して 前日までに申し込んでください。
 なおその際に、
ワクチン接種の有無もお知らせ下さい。
 予約確認メールを送付します。

坐禪會日程
新規参加予約定員
現在予約人数
  
7月17日(日曜日)
3名
2名
新規参加は13:30集合

當分の間、攝心は休止となります。
攝心の記事(「企業と人材」鷹取澄 1999/07/05 PDF)

永嘉大師證道歌(PDF 2013/03/11版)
三祖大師信心銘(PDF 2010/05/03版)
從 容 録(PDF 2012/02/21版)

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〒192-0914 東京都八王子市片倉町212番地 松門寺
TEL 042-635-1363

(2022年6月26日更新)